REVOLVERレビュー/ハウツー

REVOLVER・ねこだまし「プラモを展示するということ」

活動的なプラモデラー諸氏であれば模型展示会や店頭のショーケースなどで、作品を不特定多数に向けて展示する機会も少なくないと思います

縁あってエディオン京都四条河原町店の地下1階おもちゃホビー売り場ショーケースの一画を、REVOLVER・ねこだましが何かしらやる機会がありまして、何かしらを考えた結果「プラモデル初心者向けステップアップチャレンジ」と題し、プラモ初心者向けに【スミ入れ】【部分塗装】の基礎テクニック紹介をするという、わりとよくあるパターンでやるってなった時にぼんやり想った事のお話し

現在、エディオン京都四条河原町店の地下1階おもちゃホビー売り場ショーケースで展示中の内容

今や【スミ入れ】【部分塗装】のような基礎~上級テクニックにいたるまで、模型誌やインターネットからいくらでも情報が手に入る時代

しかし、わりとよくあるパターンと言っても、それは情報を自ら取得する(出来る)能動的なユーザーにとって既知なだけであり、そうでないユーザーからすれば基礎的なことでも未知の世界だったりします

そこで当展示におけるペルソナ設定を、情報を自ら取得する(出来る)能動的なユーザーでは無い、ただプラモ売り場に立ち寄った《子ども連れファミリー》~《プラモに興味はあるけどやったことない》~《パチ組経験者》としました

情報収集に能動性が必要な模型誌やインターネットに比べ、フィジカルかつある意味で受動的な店頭こそ、【スミ入れ】【部分塗装】などが未知のユーザーに基礎テクニックの存在そのものを知ってもらう機会として、実は一番適切なシチュエーションだと思います

お題についても、店頭でよく採用されるガンプラは購買層が限られる上に、現在は肝心のキットが買いづらい状況なこともあり、そこの逆張りで〈ファン層が広い〉〈実際に店頭で買える〉〈パーツ数が少なくかんたん〉などの点からポケプラが最適解と判断しました

ポケプラクイック!!のすゝめ」で紹介したキットに加え、今回の内容に合わせる形で追加したキット

次に巡らせた考えを実際アウトプットする訳ですが、まずはやはり展示した内容を見てもらわない事には何も始まりませんし、遠目からでも興味を引きたい所

考え無しに置き並べるだけではただそれだけになってしまい、例えば相当なジオラマ作品などでも無い限り素通りされるのがオチです
(特に今回はパチ組に【スミ入れ】【部分塗装】しただけのモノなので余計に)

したがってプラモを展示するということは、そのアプローチの方法まで考えることも含まれる訳です

そこでアプローチの一環として、ポケモンは〈ファン層が広い〉こと、ポケプラの対象年齢が6歳以上である事から、ターゲット範囲のミニマムラインを6歳あたりとし、その年齢でも伝わるような内容のパネルを作成しました

【スミ入れ】→【部分塗装】→【シールを含む使い分け】といった基礎テクニックを段階的になるべく分かりやすく紹介

このパネルデザインも一見単純ですが、配色やフォントやテキスト間の空白に注目すると気付きがありますね

何をやるにしてもコンテンツに対する解像度の高さはやはり重要なプロパティです

『発見がある』『意味が分かる』と人間なんだか嬉しくなるもので(特に低年齢であれば尚の事)、『分かってる』演出は大いに効果的だと思います

逆にコンテンツ解像度が低いと上澄みしか掬えませんから、内容も薄っぺらになり『分かってない』『そうじゃない』と見抜かれ大スベりするハメに…

以上をまとめますと、つまるところ何かしらやる時に大事なのは、誰に向けて何を伝えたいかの徹底的な明確化です

今回プラモ作品の展示のお話しでしたが、
・送り手と受け手の双方視点からの仮想思考
・発信する内容の理解度
この2点は作品制作そのもの、延いてはビジネスシーンなど人と関わるすべてに言えます

もしこれから同じような機会のあるプラモデラーの皆さまにとって参考になりましたら幸いです

そんでもってエディオン京都四条河原町店の地下1階おもちゃホビー売り場にお立ち寄りの際はお買い物ついでにポケプラの展示をぜひ見て行ってください!!